おっさんビジネス用語

最近、「#おっさんビジネス用語」というハッシュタグが盛り上がっているらしい。まとめサイトを見ると「あるある」と思わせる言葉が並ぶ。皆さんは、どれくらい知っているでしょう。

 

「よしなに」「一丁目一番地」「えいやで」…。一定の世代の社会人が職場で多用しがちなフレーズが交流サイト(SNS)を中心に話題だ。人呼んで「おっさんビジネス用語」。独特な言い回しを面白いと思う人がいる半面、分かるようで分からない言葉も多く、若い社員が困惑するケースもある。送り手と受け手で認識の差があれば、「誤解を生む可能性がある」。

私はシニア世代であるが、事務や営業的な仕事とは無縁な仕事をしてきたので、知らない用語が多いのですが、次のような内容が出ています。

 

■上司との距離が縮まる?

「新入社員時代、社内で資料を作っていると、先輩から記載する数値についてこうアドバイスされた。「厳密すぎず、『鉛筆なめなめ』でいいよ」。ニュアンスから、本当に鉛筆をなめることは求められていないと分かる。それでも真意がくみ取れず、その場で戸惑ってしまった。

他部署と担当がまたがる案件を処理する際、「(他部署に)仁義を切って」「事前に交通整理して」。目の前を飛び交う難解なビジネス用語に長年もんもんとしていたが、「言葉の意味を他の人に聞いたり、自分で調べたりするうちに興味を持った」。 裏工作を意味する「寝技」、企画などをいったん白紙にする「ガラガラポン」など、

現在は上司や年配の取引先と距離を縮めるために意図的に用語を使用している。

■「ついつい多用してしまう」

独特の言い回しが癖になるおっさんビジネス用語。日常ではどんなシーンで使われるのか。

日常的に使うのは「よしなに」。「『よろしく』とストレートに伝えるよりも、柔らかい印象で相手にお願いできるからついつい多用してしまう」という。 一方、啞然(あぜん)とする若者もいる。「一丁目一番地で進めて」は政治家たちがよく口にする「最優先事項」を意味する用語である。

■使い方には注意も必要

専門家の見方はどうか。武庫川女子大の佐竹秀雄名誉教授(日本語学)はいわゆるおっさんビジネス用語について、「ビジネスという概念が一般社会で定着した高度成長期以降に、俗語的な意味合いで使われてきた」と誕生の経緯を推測する。

「仲間意識を生んだり、職場でのコミュニケーションを円滑にしたりする役割も担う」と指摘。

おっさんビジネス用語は職場の潤滑油になることがある。コンプライアンス(法令順守)重視やハラスメント(嫌がらせ)防止を意識するあまり、世代間交流が希薄になりがちな昨今こそ、「よしなに」した使い方が求められるのではないか。

 

●エイヤ
用例)「エイヤで作っております、どうぞよしなにお願いいたします」「エイヤで見積もりを出しました」
意味)データや合理性にのっとって緻密(ちみつ)に計算されたものではなく、業界内での経験や勘、その場の勢いに乗って生み出されたもの、あるいはその様子。
●イッテコイ
用例)「今日のところはイッテコイですね」「セールで利益が出ても人件費で結局イッテコイだよ」
意味)もともとは相場が上がった後に、すぐ元に戻ったことを示す金融業界の言葉。利益が出たものの、その後の動きで利益がなくなった、しかし最初と比べて損失が出ているわけでもないさま。
●ガッチャンコ
用例)「その議題もガッチャンコで今日やっちゃおう」「書類、前のと合わせてガッチャンコしといてくれる?」
意味)合わせて、まとめて、というような意味。ホチキスを止める擬音からきたともいわれる。

 

 中には「#おっさんビジネス用語」に前時代感を覚えたり、こういった言葉を使いながら強引にことを進めるビジネスパーソンに反発を感じたりしている人もいるのかもしれないが、全体的にはほのぼのとしたネタのタグであるようだ。