ぶらぶら社員制度復活!! 永谷園

皆さんは「ぶらぶら社員制度」という言葉を耳にしたことがあるだろうか? あなたが60代以上であれば、「知っている」「聞いたことがある」と答えるかもしれない。しかし、60代未満であれば、「知らない」「初耳」という人が大半を占めるのではないか。

「ぶらぶら社員制度」は、今から43年前の1979年に永谷園が採用した社員制度になる。

その当時社長である嘉男氏のアイデアが起点となって誕生したロングセラー商品により大きく成長を遂げた永谷園。その社長として経営の舵取りを行わなければならない嘉男氏にとって、常に商品開発の先陣を切り、アイデアを出すという状況は、組織機能の維持や社員・人材の育成などを含め、会社のさらなる成長さえも阻むことになりかねない。

そこで『自分がやれないのなら、自分の分身をつくればいい』と。なんともアイデアマンの嘉男氏らしい発想だが、それを決断し、実際に実行してしまう行動力にも驚かされる。そう、こうして「ぶらぶら社員制度」は産声を上げることになったのだ。

初代ぶらぶら社員制度は1979年から2年間実施され、「麻婆春雨」というロングセラー商品を生みました。

この当時、初代のぶらぶら社員に伝えた内容が次のようなことであった。

『今後、どのような商品を開発すべきか、そのことだけを考え、考えることに専念してもらいたい。ほかのことは何もしなくていい』

『食べたいもの、読みたい本、行きたいところ、なんでも好きなことをやっていい。レポートもいらないし、出社もしなくたっていい。会社の機能も好きに使ってもらって構わない。拘束は一切なしだ。費用だって惜しむ必要はない』

『2年間、とにかくぶらぶらして、ヒントになりそうなものを考え、ヒントになりそうなものだけを追い掛けてほしい』

 

2023年、永谷園は43年前のこの制度を新商品に開発のため復活すると宣言した。

株式会社 永谷園ホールディングス(社長:永谷泰次郎、東京都港区)は、新商品開発の施策のひとつとして、「ぶらぶら社員制度」を復活いたします。

 

3月下旬、ベテラン社員が突然、永谷園ホールディングスの永谷栄一郎会長から電話で呼び出され、受けた辞令は、
2023年4月1日付で
「二代目 ぶらぶら社員を命ず!」であった。

2015年から執行役員(宣伝部長)を勤める64歳で1981年に永谷園に入社

1981年に永谷園に入社し、2015年から執行役員となった人(64歳)である。

 

今回の「ぶらぶら社員制度」の内容は次のような内容。

・使命は「新商品開発に結びつくような情報をどんどん会長に入れる」こと。

・どこに、何を食べに行っても良い。そのための交通費・経費は会社で支払う。
・特別報告はいらない。メール・写真・メモ・サンプルなどどんな形でもいいので、情報を持ってくること。
・任期は「1年」(2023年4月1日~2024年3月31日)とする。

会社員としては羨ましいような立場ですが、次から次へと豊富な発想が浮び、行動力がなければ短い期間で行き詰まってしまいそうですね。

私のような凡人では到底勤まりませんね。