ガソリンにも夏用と冬用がある!? 真相を徹底調査

軽油には、夏用と冬用があるということを知っている人はある程度いるかもしれないが、ガソリンにも夏用と冬用があるということを知っている人は少ないかもしれない。

結論から言うと、ガソリンについては我々消費者はあまり気にしなくてもよい。ガソリンスタンドでは次のようにコメントしている。

「エネオスのようなガソリンスタンドではガソリンを夏用、冬用と分けて販売していますが、季節に応じてスタンドの方で入れ替えて販売しているので、給油の際にお客様がどちらかを指定する必要はありません。また、寒冷地仕様の規格が細かく定められている軽油と違ってガソリンは、夏用と冬用の差を厳格に気にする必要はありません」

一般的には大体10月下旬から順次、冬用に変わっていき、冬用から夏用への切り替えは、例年5月ごろなので、常時給油する人は気にしなくてもよいが、半年以上給油せず乗っていなかった場合は若干気をつけたほうが良いのかもしれない。

 

夏用ガソリンと冬用ガソリンの違い

気化のしやすさ」という点が違います。夏用ガソリンは多少気化しにくく、冬用ガソリンは多少気化しやすく作られているのです。

ガソリンは凍結しないので、軽油のように地域によって細かく仕様を変える必要はないが、気温が異なる夏と冬では『蒸気圧』を変えている。

「蒸気圧」とはガソリンの揮発性を表す指標とのこと。数値が高いほど、揮発性が高い(=蒸発しやすい)。

・冬場のエンジン始動性の改善

 気温の低い冬はガソリンは気化しにくくなり、そのため、そのままではエンジンの始動性が悪化してしまうため、成分を調整して蒸気圧を上げ気化しやすいよう工夫されています。

・夏場の過剰な気化の防止

 ガソリンがタンクからエンジンに行く途中のホース内でガソリンが気化してしまうと、燃料の供給がうまくいかず、アイドリング不良や加速不良の原因になるため蒸気圧を下げこれを防止する。

また、気化をしにくくすることで、ガソリンの荷下ろしや給油の際に発生するガソリンの大気中への無駄な放出も削減されるメリットもある。

 

ディーゼルエンジンの燃料「軽油」は冬に凍結する

積雪地に住む人やウインタースポーツを楽しむ人、仕事でトラックなどを走らせる人なら、ディーゼルエンジンの燃料となる「軽油」に、寒冷地仕様があることを知っている。
「寒い地域に行くときは、現地で寒冷地仕様の軽油を給油せよ」とよく言いますよね。

寒冷地に対応した軽油ではないと、あまりに低温になると、軽油に含まれるワックス分が分離してシャーベット状になり、凍結してしまう可能性がある。

そのため、温暖な地域で入れた軽油で寒冷地に出かけた場合、現地で寒さに強い軽油を継ぎ足すことが必要。

軽油は固まってしまう温度に応じて特1号、1号、2号、3号、特3号の五段階に分けられており、寒冷地以外で日常的に使用するものは2号で、-5℃を下回ると目詰まりを起こすと言われれる。

ガソリンについては消費者側が気をつけることはあまりないようだが、軽油を燃料とするディーゼルエンジンの車両は気温の下がる冬季には給油に気をつけなければならない。