パンダ衰弱に中国懸念 シャンシャンと比較で注目

日本に国交正常化を記念して、パンダ2頭が送られてきたのが50年前の昭和47年10月28日で、オスの「カンカン」とメスの「ランラン」が上の動物園に贈られ、珍しい動物を見るために多くの人が来てパンダブームを巻き起こしました。

 

今回日本から中国へパンダたちが返還された理由は、ワシントン条約によるものです。

 

ワシントン条約

正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の特定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的とした条約です。

日本は80年に、中国は81年に締約国になりました。現在、世界の183カ国及びEU(欧州連合)が締約国になっています。

パンダは84年にもっとも厳しい規制で、商業目的の取引が原則禁止となりました。野生のパンダは中国南西部の山林に生息していますが、開発により生息地が狭くなったりして、国際自然保護連合(IUCN)の「世界の絶滅危惧種リスト」では、もっとも絶滅の恐れの高いランクに位置づけられていました。

97年のワシントン条約締約国会議で「野生のパンダの輸出は原則認められない」ことや「中国に支払われるレンタル料は野生のパンダの保護のために使われる」ことが勧告されました。それによりパンダの取引の規制が進むとともに保護にいっそう力が入るようになりました。

このようなワシントン条約に基づいて、中国に返還された上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、シャンシャン(雌、5歳)は2017年6月、父リーリーと母シンシンの間に誕生。同園で初めて自然繁殖で順調に成長したパンダでした。

その他に、和歌山・白浜町のアドベンチャーワールドで暮らしていたジャイアントパンダ「永明」(30歳、雄)、「桜浜」、「桃浜」(双子の8歳、雌)の3頭が、2月23日に中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地へ帰ました。

 

このようなに中国へ帰っていったパンダの様子が世界のニュースとなり、健康的な容姿が流れたのに対し、少し可哀想な写真がニュースに載っていました。

    

  左が「ヤーヤー」  右が「シャンシャン」

中国のインターネットで、米テネシー州の動物園で暮らすジャイアントパンダの衰弱してやせ細った様子の動画や写真が拡散し、懸念が広がっている。東京・上野動物園で飼育され「日本で大切にしてもらった」との報道があったシャンシャンと比べる形で注目が集まっている。

「シャンシャンとヤーヤーの処遇の差は、なぜ大きいのか」。中国の短文投稿サイトでの閲覧回数は3月2日時点で計約1億3千万回。野生の平均寿命を上回り、皮膚病を患うヤーヤーの頰や体がこけた動画や画像が多数出回り「新鮮なササの葉を与えていないのでは」などと心配の声が相次いだ。

中国メディアによると、動物園関係者は「食料や居住環境に問題はない」と反論。中国動物園協会も適切に飼育されていると説明し、火消しに追われた。

 

ヤーヤーは高齢なので毛艶が悪いのは自然なのかもしれませんね。

ヤーヤーは22歳です。シャンシャンは日本生まれで5歳です。