笑福亭笑瓶さん急性大動脈解離のため死去! 

笑福亭笑瓶さんが死去したニュースが伝えられています。

昔から噂の東京マガジンでいつもお顔を拝見していましたが、突然死亡のニュースを見て驚きました。

私も笑福亭笑瓶さんと同年代なので、急死については他人事とは思えません。

では、この急性大動脈解離とはどのような病気なのでしょうか。いろいろなところから資料を集めてみましたので、読んでみてください。

 

大動脈は内膜、中膜、外膜の3層に分かれています。中膜がなんらかの原因で裂けて、もともとは大動脈の壁であった部分に血液が流れ込むことで大動脈内に二つの通り道ができる状態が大動脈解離です〈図3〉。

〈図3〉

 

原因は?

動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係すると考えられています。大動脈解離の発症が多い年齢は男女とも70代とされていますが、40代や50代で発症することも稀ではありません。
また、大動脈解離の発症は冬場に多く、夏場に少ない傾向があります。また、時間的には活動時間帯である日中が多く、特に6~12時に多いと報告されています。逆に深夜から早朝は少ないようです。

 

症状は?

大動脈解離は、ほとんどの場合、何の前触れもなく、突然、胸や背中の激痛とともに起こります。また、起こったばかりの時は、血管が裂けているために血管の壁が薄くなり、きわめて破裂しやすい状態にあります。特に上行大動脈に解離が及ぶA型では、1時間に1%ずつ死亡率が上昇すると言われています〈図4〉。つまり、48時間以内におよそ半分の患者さんが亡くなることになります。

〈図4〉

大動脈解離は血管の壁が薄くなって破裂するほか、大動脈自体や大動脈から枝分かれする重要な枝の血流が障害されて痛み以外に多彩な症状を呈することがあります〈図5〉。
例えば脳に血液を送る血管が解離で血流障害を起こした場合には、「脳卒中」による意識障害を疑われて脳神経科へ搬送されてから大動脈解離であることが分かることはよくあります。血流障害による手や足の痛みで発症したり、急性心筋梗塞を疑われてカテーテル治療を開始してから分かることもあります。
突然、胸や背中に激痛が生じれば、大動脈解離も疑われますが、突然のことで冷静な判断ができないかもしれません。突然の胸や背中の激痛を起こす病気で、様子を見ても大丈夫と言える病気はありませんので、とにかく一刻も早く救急車を呼んで医療機関を受診し、治療を受ける必要があります。
診断が遅れないように、大動脈解離の可能性を疑うことが重要ですので、些細な症状であっても救急救命士や医師に伝えてください。また、ご本人から伝えるのが困難なときには、家族が知り得る情報を詳しく伝えてください。

〈図5〉

 

笑福亭笑瓶さんの場合はどの部分の大動脈解離なのかはよく分かりませんが、怖い病気であることは間違いないようですね。でも、血管が痛まないように、血圧が高くならないように等、生活習慣病の予防的生活をするくらいしかないようですね。