京都保津川急流下りで起きた転覆事故 「岸に負傷者が…」

知床観光船沈没事故からまだそんなに経過していない。

この事故をきっかけに全国の観光船に対する監視制度が強化され、国として実施してきた監視システムが実働していなかったということが明らかとなった。

観光船を運営する側からも、自主的に安全運行に関するシステムの構築が進められているように感じていた。

しかし、これら安全対策の動きは観光船に対する安全対策であって、今回事故を起こした川下りの船等には関係のないことだったのだろうか。

この事故のニュースを抜粋します。

京都府の保津川で28日、川下りの船が転覆した事故で、後続の船に乗っていた愛知県の女性が事故直後の現場の様子を語りました。事故のきっかけになったとみられる「空舵(からかじ)」についても取材しました。  川の真ん中でひっくり返った船。水の流れは速く、白波が立っていました。  京都府亀岡市の保津川急流下りで28日に起きた転覆事故で、乗客25人と船頭4人が川に投げ出され、船頭の田中三郎さん(51)が死亡、40歳の船頭が行方不明となっています。

 

目撃した女性: 「船頭さんが『え?』ってどよめく瞬間があるんですけど、おそらく船の残骸か何かがあったんでしょうね。オールもありましたし、あとは前に乗っていた方の荷物とか靴だとか。岸に負傷者の方がいっぱい並んでいて、『助けてください!』っていう声で異常に気付いた」

当時、船には船頭が4人乗っていました。3月12日に撮影された保津川下りの映像を見ると、一番前の船頭は棹を使って向きを調整、その後ろに漕ぎ手が、一番後ろに舵を取る船頭がいるのが分かります。  舵は魚でいえば尾びれの役割を果たします。今回は右に曲がろうと水をかこうとしたものの「空振り」して、バランスを崩し船頭が川に落ちました。

今回は知床観光船の沈没事故の時とは違い、海ではなく川で、水温も知床の海のように低いわけではなかったため、被害は最小限に留まったと言える。

北海道ではゴムボートでの川下り ラフティングが観光資源となっているところも何ヵ所かあるが、安全対策は充分行われているのだろうか。聞くところによると、ある程度の講習を実施してから実際のゴムボートに乗り込むらしい。

今回の京都の川下りは、観光の途中でちょっと船に乗って、京都の景色を楽しむ程度と乗客も船頭さん達も思っていたのではないだろうか。私も、ニュース番組等で京都の川下りとして認識はあったけど、まさか乗客が水を被ったり転覆することなど考えてもいなかった。

知床観光船沈没事故時、自分も知床に行けば軽い気持ちで乗っていただろうと感じ、しばらくはどこの観光船も乗らないと決めていた。でも、自分が京都観光に行けば、観光船のイメージはない川下りの船には軽い気持ちでこの船に乗っていたと思う。